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『落陽』コラボレート写真詩⑫  [コラボレート]

 

 

       『落陽』

 

     

            (photo by silvermac「新舞子散策」砂紋より)

 

    まだ 人生と云うものを知らなかったころ

    海は

    青空の下でいつも輝いていた

 

    まだ 人と云うものを知らなかったころ

    海は 

    わたしを包み込む 心豊かな揺りかごだった

 

    まだ 友というものを知らなかったこ

    海は 

    わたしを導く 寛大で誠実な先達(せんだつ)だった

 

    全力で走り 

    転び

    挑み

    闘い

    勝って 負けて

    あきらめなかったころ 

 

    いつだって海は

    怖いもの知らずの わたしの味方でいてくれた

    だから

 

    千の波打ち際を走り 

    万の砂丘を駆け抜けることができた

 

    しかしある日 ふと 立ち止まったとき 

    わたしはひとつ 

    知らないものがあることに気づいた

 

    あたりを黄金に染めていく

    海の終わりを

    わたしはいま みつめている

 

(作者からあなたへ)

 ☆いま、走り始めた人、全力疾走している人、ふと立ち止まった人、じっとたたずんでいる人、走ることをやめた人、もう走れなくなった人‥‥そんな人たちが最後に気づくものについて。

 

 今回コラボレートしていただくのは、土佐の粋人silvermac さん。古希(70歳)を迎えて3年、関西から土佐へとUターン。そして半年前から始められた、大人気photoブログ「気ままにブログ」のご当主です。ご自分のことを”macジジイ”と自己紹介なさっているだけあって、映像の腕は相当なもの。彼のブログでは、土佐の皿鉢料理祭りも紹介しています。豪華かつ、メチャメチャ美味しそうな土佐の名物料理は一見に値します。ということで、今回は彼の「海」と「花」の写真をお借りし、こんな詩を書いてみました。もしお気に召したら、ぜひ暖かい応援コメントをいただけると幸せです。silvermac さんのURLは以下の通り。彼のトレードマーク、竜馬像も添えてみました。   

         http://blog.so-net.ne.jp/ryofu/

(『気ままにブログ』より)

 この写真はsilvermac さんのブログ「新舞子海岸の落陽」の頁からお借りしてきたものです。実はこの写真を撮るきっかけになったのが、ご令嬢のご夫君の不慮の事故。研究所勤務のご夫君が、実験中爆発事故に会われ、入院先の新舞子へ駆けつけられた折りの宿の傍で、この素晴らしい夕陽と遭遇された由。院内感染で重篤な状況になられたご夫君のお見舞いを終え、宿に帰って出会われたこの夕陽はもしかしたら、事故に遭われたご夫君の感謝の気持ちの現われだったのではないでしょうか。silvermac さん、大事に至らず、本当に宜しゅうございました。この詩はそうした事情を知らず書き上げたものですが、お気に入っていただけることを心より願っております。

   


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