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爆笑SF童話『おじいちゃんの ヤリナオシ・カプセル』 [SF童話]

  このお話は原稿用紙で約20枚。少し長い童話です。これも賞をいただいた作品ですが、今回ブログ掲載にあたって、少々リライトしてみました。小学校低学年向きですが、軽いSFタッチのファンタジーを、オトナもお楽しみください。

                

 『おじいちゃんの ヤリナオシ・カプセル』 

 ミクちゃんのおじいちゃんは、昔、お医者さまだった。今は、ミクちゃんのお父さんが病院のあとを継いだので、若いころからの夢だった、研究生活、というのを楽しんでいる。

「ねぇ、ケンキュウセイカツ、ってなにさ」

「自分の好きなことを、好きなように考えたり、実験したりする生活のことだよ」

「なんだ、要は好き勝手にやってるってことじゃない」

「まあ、そう言えないことはないな。フォッホッホ」

 小学校一年生のミクちゃんは、おじいちゃんのいい話し相手だった。だけど当のミクちゃんは、それをあんまりありがたいと思っていない。だって、おじいちゃんのケンキュウっていうのは、なんだかあやしくて、ときどきヘンテコな実験につきあわされることがあるんだもの。

 このあいだだって‥‥。

「ミク、ちょっとこいつを使ってみてくれんか」

「なに、これぇ ? 」

 おじいちゃんがさし出したのは、先っぽを切りとった、手術用の手ぶくろ。よく見ると、指と指の間に、うすいゴムの膜がはってある。これ、水かき?

「フォッホッホ。カッパ・ハンドといってな、これをつけて泳げば、今までの倍は早く泳げるはずじゃ」

 おじいちゃんはもうトシで、こいつを実験はできんから、なんて言われて、ミクちゃんはしぶしぶ学校に持っていった。そして、水泳の時間に試してみたら‥‥。

(すごーい ! )

 クラスでいちばん早いタケシを、ラクラク追い抜いてしまった。

 クラスでいちばんちびのミクちゃんに負けて、タケシの面目はまるつぶれ。だけどなんかヘンだぞ、と気がついた。

「あーっ、おまえ、こんな新兵器つけてたら、一番になるのはあったりまえだろ。よこせ ! 」

 あっというまに取りあげて、カッパ・ハンドでバシャバシャ泳ぎはじめた。

「すげえ、すげえ。スイスイ泳げらあ」

 でもまだやっぱり一年生。プールのいちばん深いところまでいったとき、あっぷあっぷとおぼれはじめた。タケシの犬かきがあんまりらんぼうだったので、カッパ・ハンドのうすいマクが、やぶれてしまったのだ。  

「こんなヘンなものつけて泳ぐからだ ! 」

  イラスト提供:ピンボケイラストレーターみれい

 体育のコヤマ先生に、こってり油をしぼられたタケシが、ミクちゃんをにらみつける。ミクちゃんは、あわててプールからにげだした。

 おじいちゃんのジッケンにつきあうのなんか、もうこりごり ! ミクちゃんは、そう思ったのに、おじいちゃんは今日も、学校から帰ってきたミクちゃんを、いそいそ、つかまえにやってくる。

「ミク、あのな、こいつを‥‥」

「いやッ ! 」

「なんだ、まだ何にも言っとらんぞ」

「聞きたくないもん。どうせまたヘンテコなもの、ジッケンしてくれっていうんでしょ」

「いやいや、こんどのは、ぜんぜんヘンテコじゃない。こいつはな‥‥」

「やーだってば ! 」

 カッパ・ハンド事件ですっかりこりたミクちゃんは、おじいちゃんの話を聞きもしないで、とっとと逃げ出した。ところが、おじいちゃんはあきらめない。

「まあ聞け、ミク。こんどのやつはちょっとすごいぞ。スーパー・ペインティング・ペン、って言うんだ。協力してくれたら、お小遣いをやる。な、な、な」

 もちろん、ミクちゃんの足は、ピタリと止まった。お小遣い !

「見てからよ。見・て・か・ら・だからねッ」

 そりゃあいちおう、用心しなきゃね。

「よしよし、ほーら、これだ」

 おじいちゃんの手の中にあるものを見たミクちゃんは、首をかしげた。それは、真ん中へんに丸い輪っかが2つついただけの、普通のシャーペンだったから。

(これのどこが、 スーパー・ペインティング・ペン、なんだろ ? )

「ふっふっふ。こいつの日本名はな、"なんでもかけちゃうペン"と言うんだ」

 おじいちゃんは得意そうに、説明を始めた。

「その輪っかに、親指と人差し指を入れてな、親指のところについてる小っちゃなボタンを押す。それから、おじいちゃんの顔を描いてごらん」

 おじいちゃんの言うとおりにしてみたら‥‥、

(きゃっ ! )

 いきなりペンが、勝手に動きだした !

 ミクちゃんの気持ちとぜんぜん関係なく、画用紙の上に、おじいちゃんの顔を描いてゆく。そればかりじゃない。どこがどうなってるんだか、シャーペンの芯がカチカチ切り替わり、ちゃあんと色がついてゆく。 

(ひゃあ、スーパー色鉛筆だ ! )

 おじいちゃんが、どんなもんだ、と、にんまり笑う。

「ペンのお尻にマイクロ・デジタル・カメラを仕込んであるんだ。そいつを描きたいものに向けると、ペンが勝手に描いてくれる」

 いろんな色の芯が勝手に出てくるのは、マイクロ・コンピュータのしわざ。カメラに映った絵に合わせて、必要な色の芯を、自動的に出したり、引っ込めたりしてくれる、らしい。

 おじいちゃんの説明は、難しすぎて、よくわからなかったけれど、なんでも描けちゃうペンなんてすごく面白い。あのカッパ・ハンドなんかより、ずうっとマシだ。

 図画の苦手なミクちゃんは、大よろこび。さっそく翌日、学校に持っていった。

 今度はまず、友だちにちゃんと説明して、みんなの似顔絵を、一人づつ描きはじめる。

『わあ、すごい ! あたしの似顔絵も描いてェ』

 ミクちゃんの周りはたちまちすごい人だかり。

 ところが、大人気のスーパー・ペインティング・ペンに、タケシが、またまた目をつけたのだ。

「おっもしれェ。そのペン、ちょっとオレにかせ」

「だめッ、これ、あたしがおじいちゃんにもらったんだもの」

「ちぇっ、ケチ。かせったら、かせ ! 」

「だめッたら、だめ ! ‥‥あッ、あッ、あーッ」

 抵抗するミクちゃんの手から、無理やりペンをぶん捕ったタケシは、にんまり笑って、国語の時間にさっそくマエダ先生の似顔絵を描きはじめた。ところが‥‥。

 ペンはまずタケシのノートに、それから教科書に、となりの子のノートに、そして机の上にも、どんどん、どんどん、マエダ先生の似顔絵を描いてゆく。

「とまンねぇよォ ! 」

 大暴走するスーパー・ペインティング・ペンに、タケシは大あわて。ミクちゃんはハラハラ。まわりのみんなはゲラゲラ。

(さっき取りっこしたとき、どっかコワれちゃったんだ、きっと)

 そしてマエダ先生は、指からスーパー・ペインティング・ペンがはずれなくなって大さわぎしているタケシの頭に、でっかいゲンコを一発。

 黒板の横に立たされてしまったタケシが、ベンケイみたいなでっかい目で、またまたミクちゃんをにらみつける。

 ミクちゃんはカメの子みたいに、首をちぢめた。やだ、おっかないよう !

 タケシはそれから一日中、ミクちゃんを目のかたきにして追っかけまわし、いじめまくった。

 上ばきはかくす、クレヨンはひッくりかえす、机の中にゴミは放りこむ。

 放課後の砂場で、頭から砂をかけられたとき、ミクちゃんはとうとう、泣き出してしまった。

(うわあん、みんなおじいちゃんのせいだあ)

 わんわん泣きながらおうちに帰ったミクちゃんは、カタツムリみたいに、ベッドの中にもぐりこんだ。夕ご飯の時間になっても、部屋から出てこない。

 心配したおじいちゃんが、ミクちゃんの部屋にやってきた。

「ミク、どうしたんだ、出ておいで」

「やだ。おじいちゃんのせいよ。おじいちゃんのヘンテコなジッケンのせいで、タケシがまたあたしをいじめンだからぁ」

 ミクちゃんの話を聞いたおじいちゃんは、ポリポリ頭をかいた。それから少し考えて、ポン、と手をたたいた。

「まてよ、そいつはなんとかなるぞ。よし、ちょっと待ってろよ、ミク」

 しばらくして、おじいちゃんが持ってきたものを見たミクちゃんは、きょとんとした。それは小さな、とても小さな、ピンク色のカプセルだったから。

「これ、なあに?」

 おじいちゃんは、ニコニコしながらいった。

「こいつはな、ヤリナオシ・カプセル、というんだよ」

「ヤリナオシ・カプセル?」

「うん、まだ効き目が弱くて、その日のうちのできごとしか、ヤリナオせないんだが、まあ、ためしてごらん」

 ミクちゃんは、こわごわ、そのカプセルを飲み込んだ。そしたら、あーらららら、お部屋がグルグルまわりだしたよぉ‥‥‥ ! 」

 

 ハッと気がついたとき、ミクちゃんは、また学校にもどっていた。

 まわりには、お友だちがいっぱいで、『わあ、すごい。あたしの似顔絵も描いてェ』

(なあに、これ ? どうなってるの ? )

 スーパー・ペインティング・ペンを片手に、きょとんとしているミクちゃんに向かって、タケシがのしのしやってくる。

「おッもしれェ。そのペン、ちょっとおれにかせよ」

(これ、今日あったことを、またヤリナオシしてるんだわ ! )

  ミクちゃんには、おじいちゃんのいったことの意味が、やっとわかってきた。それなのに口から出てきたのはやっぱり、

「だめよ。これ、あたしがおじいちゃんにもらったんだもの」

(あーあ、あたしまたおんなじこと、いっちゃった‥‥)

 そうなると次は当然、

「ちぇッ、けち。かせったら、かせッ ! 」

 で、ミクちゃんは、またもやペンを取りあげられ、タケシは、国語の時間にこっそりマエダ先生の似顔絵を描きはじめて、

「あッ、あッ、あーッ」

 黒板の横に立たされたタケシが、あのギョロ目で、ミクちゃんをにらむ。あ~ん、こんなヤリナオシなんてヤだあぁぁぁ。もうおそい。

 カンカンに怒ったタケシに上ばきをかくされ、クレヨンをひっくりかえされ、机の中にゴミを放りこまれて、放課後の砂場で、頭から砂をかけらける‥‥‥。

(うわぁーん、おじいちゃんのばかァ ! )

 

(一日に2回もタケシにいじめられた ! )

 おじいちゃんの実験につきあったら、やっぱり、ロクなことがない ! 

 プリプリ怒っているミクちゃんを見て、おじいちゃんはクスクス笑いだした。

「こらこら、おじいちゃんのせいにしちゃいかん。ヤリナオシ・カプセルそのものは、大成功だっただろ」

(それはそう、なんだけど)

「今日の失敗をもう一度ヤリナオせるチャンスに、またおんなじことを繰り返してしまったのは、ミクじゃないか」

「そんなこといったって‥‥(ああいうときどうしたらいいか、ろくに考えもしないうちに、いきなり時間が逆もどりしちゃったんだもの)」

 ブツブツいってるミクちゃんを、おもしろそうに見ていたおじいちゃんは、ポケットからもうひとつ、カプセルを取り出し、ニヤニヤ笑いながら、こういった。

「第一回目のヤリナオシは失敗だったようだが、どうだ、こんどは、ああいうときどうすればいいか、よーッく考えてから、もう一回ヤリナオシてみるか ? 」

 もちろん!

 ミクちゃんはヤリナオシた。こんどは、カプセルをのむ前に、よッく、よーッく、考えてから。

 どういうふうにヤリナオシたのかって ?

 そりゃもちろん、スーパー・ペインティング・ペンなんか、学校に持っていかなかったのだ。

 カッパ・ハンド事件もヤリナオシたい、っていったら、おじいちゃんが、「このカプセルのききめはな、その日一日のできごとに対してだけ、なんだよ」といったので、あきらめた。24時間以内じゃないときかないなんて、ほんとにざんねん !

 おじいちゃんはそれから、ドジッ子ミクちやんのために、せっせとヤリナオシ・カプセルをつくってくれた。

 ミクちゃんはそれを使って、いろんな失敗を、なんべんもヤリナオシてみた。

 だけどヤリナオシ・カプセルの使い方というのは、なかなかむずかしい。

 せっかくヤリナオそうとしたのに、おんなじことをまたやってしまい、一日のうちに、おなじ友だちと、おなじケンカを、3回もしてしまったり。

 わすれものをしたから、さっそくヤリナオシてみたら、またべつのわすれものをしてしまった、なんてこともあった。

 つまり、ヤリナオシ・カプセルがあったからといって、そのヤリナオシがかならずうまくいくとは、かぎらないし、そもそも、ミクちゃんのドジと、おっちょこちょいが直るわけではないのだ。

 ところが、いろんな失敗をなんどもくりかえしていると、だれでもだんだん、コツというのがわかってくる。毎回、練習しているみたいなものだから。だからミクちゃんも、だんだん、ヤリナオシがうまくなってきた。

 最近は、友だちの失敗なんかも、上手にヤリナオシてあげられる。

 なくしものをした子がいたら、なくす前の時間にもどって、なくさないように気をつけてあげられるし、ケンカした子がいたら、ケンカする前にもどって、ケンカにならないよう、それとなく心を配ってあげたりもする。

 タケシなんか、ほんとはもう何回もミクちゃんの世話になってる。本人はまるで気がついてないみたいだけど。

 ミクちゃんといると、いろんなことが、なぜかとってもうまくいく。

 みんな、なんとなくそんなふうに思うようになると、ミクちゃんのまわりには、いつのまにか、たくさんの友だちが集まってくるようになった。

 だから12月の冷たい風も、ミゾレも雪も、ミクちゃんのまわりだけはよけて通ってゆく、みたいな毎日だったのに。

 ある日、ミクちゃんが学校から帰ってくると、お母さんが、青い顔をして飛んできたのだ。

「ミク、大変よ。おじいちゃんが ! 」

  奥の部屋に寝かされたおじいちゃんは、とっても静かな顔をして、まるで眠っているみたいだった。

「うそ、今朝あんなに元気だったのに ! 」

 ミクちゃんは、もう目を開けてくれないおじいちゃんの顔を、しばらく、ボーッと見つめていた。でも次の瞬間、いきなり部屋を飛び出した。びっくりしているお父さんやお母さんをしり目にかけて。

 イナズマみたいに勉強部屋に飛びこんだミクちゃんは、机の引き出しから、<おだいじばこ>をひっぱりだした。ところが‥‥ないッ ! ない、ない、ない、ないッ! どうして?

 昨日、ここにしまっておいたのにッ!たしかまだ3つ、のこっていたはずなのに!

(あーッ、いけないっ、今日、学校に持ってったんだ!)

 鉄棒からおっこちて、ねんざしてしまったヨシエちゃんと、図画の時間にクレヨンを忘れてしまったタッくんのために、2つ使った。

 それから‥‥それから‥‥! 

(給食の時間にまたスープをこぼしたタケシのために‥使ったんだ!)

 どうしよう、さいごにおじいちゃんにもらったヤリナオシ・カプセルは、あれでおしまい。もう、ひとつものこっていない!

 ミクちゃんは、真っ青になった。

(もうだめだ。もう、おじいちゃんに会えない!)

 ミクちゃんの目に、大粒の涙がもりあがった。

(おじいちゃんに会いたい、会いたい、もういちど、会いたいよぉ)

  ミクちゃんは、おいおい、泣き出してしまった。涙が、あとから、あとから、流れてくる。大声でしゃくりあげながら、ミクちゃんはスカートのポケットからハンカチを取り出した。そしたら、その間からコロコロコロ‥‥うわぁ、あったぁ!

 ミクちゃんは大いそぎで、そのヤリナオシ・カプセルを飲み込んだ。お部屋がたちまちグルグルまわりだす‥‥。

 

「おお、やっときたな、ミク」

 おじいちゃんは、待ちかねていたように、ミクちゃんをヒザに抱きあげた。

 ミクちゃんは夢中で、おじいちゃんの首ったまにかじりついた。

「ハンカチのカプセル、おじいちゃんが入れといてくれたのね!」

「うむ。実は夕べ、新しいケンキュウが完成してな。そのことを、ミクにだけは教えておきたかったんだ。そいつは、オサキニ・カプセルというんだが」

「オサキニ・カプセル?」

「うむ。ヤリナオシ・カプセルの反対でな、ちっとばかし先の時間を覗くカプセルさ。わしの命がもうない、ということも、ミクがヤリナオシ・カプセルを今日、ぜんぶ使ってしまうということも、オサキニ・カプセルのおかげで、わかったんだよ」

 未来のことがわかるオサキニ・カプセル!

 ミクちゃんの胸はどきどきしてきた。

「それ、あたしにくれるのね!」

「いや、ざんねんだが、オサキニ・カプセルはもうひとつも残っとらん」

「えーッ、どうして?」

「ワシがみんな飲んでしまったんだ。ずうっと先の時間の中にいる、大人のミクに会ってみたくなってな。おじいちゃんは、もう、会うことはできんから」

 ミクちゃんの目が、キラキラ輝いた。

「ずうっと先のあたしって、大人になったあたしって、どうなってた? どんなことしてた? ねえ、教えて、おじいちゃん」

 おじいちゃんは、楽しそうにミクちゃんの体をゆすりながら、こういった。

「そいつはな、ミクのこれからの、お・た・の・し・み、ってやつさ」

「なんだぁ、おじいちゃんのいじわるッ」

「ハッハッハッ、心配するな。ミクの未来は輝いとったぞ。うれしいことや、楽しいことに、たくさんかこまれとった。それを伝えてやりたくて、こうしてここでミクを待っとったんだよ」

 それからおじいちゃんはミクちゃんの頭を優しくなでると、研究室のドアを開け、真っ白な雲に包まれて、まぶしい光の中を、どこかに向かって歩き出した。ミクちゃんに向かって、ニコニコ、バイバイ、と手をふりながら。

 おじいちゃんは行ってしまったし、ヤリナオシ・カプセルも、もう、ひとつものこっていない。だけどミクちゃんはとっても元気。

(だって、あたしには、これからうれしいことや、楽しいことが、たくさん待っているのよ。おじいちゃんが、ちゃんとそういったもん)

 だからミクちゃんの毎日は、バラ色。

 今日も元気に、学校に通っている。

 

 

 

 


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コメント 13

みれい

私はミクちゃんのおじいちゃんに惚れました。若かりし頃のおじいちゃんにあっていたら、いい男っぷりだったんだろうなと思います。小学校のミクちゃんは素直で、よく考える子ですね。私よりおませな感じを受けました。私が小学1年生の頃は、考えるといえば、変な遊びとか、いたずらする時ぐらいだったと思います。あんまり楽しくて時間が過ぎるのが早かった。それにしてもオサキニ・カプセル・・・一回試してみたいですね。
by みれい (2006-03-18 14:07) 

ヤリナオシ・カプセル。いったい、いくつあったら足りるのだろう。いくつあったら「いい人生」になるのだろう。
日常の中の山程ある選択肢、分岐点を何気なく選んで暮らしているのが恐いような、悔しいような、せつないような、でも愉快なような・・・。

オサキニ・カプセル、ぼくは怖いので遠慮しておきます。
by (2006-03-18 16:01) 

mama-witch

★いえいえ、みれいちゃん。
 ミクちゃんはあなたのような女の子です。おしゃまで、可愛くて、ドジ‥‥。何 よりおじいちゃん大好きで、まあ、オールド・ファーザー・コンプレックスのかた まりみたいな、だからボーイ・フレンドはなかなか(笑)‥‥すみません。

★ドン亀さん、まいど‥‥。
 オサキニ・カプセルが怖い?何を弱気な。ドン亀さんの写真はいつだって自然と一体で、過去も現在も未来も、じぃっと見つめる、シャープな眼を持っているじゃありませんか。ドン亀のドンは、ドンと来いのドン~♪
by mama-witch (2006-03-18 17:44) 

おはようございます。
今までmama-witchさんにいただいた詩をせっかくなので写真の方へ転載させていただきました。ありがとう。
by (2006-03-19 06:12) 

liv-mucha

かわいらしいお話ですね。
わが父親もすっかり孫に甘い甘いじいじに変身しつつあるので、
とても楽しく読ませていただきました。
娘にも読み聞かせてあげたいと思います。きっと喜びます。
by liv-mucha (2006-03-20 10:37) 

mama-witch

★ありがとう、ありすさん。
 娘さんに読み聞かせていただける、それがいちばん嬉しいお言葉です。
 どうか、娘さんが、喜んでくださいますように。
by mama-witch (2006-03-20 11:13) 

おはなし村ゆめ

とても、いいストーリーでした。
理想のおじいちゃんを描きながら、ちゃんと、子供に伝えてる。
やり直しができるからって、いい人生じゃない。
信用できる好きな人が言った言葉なら、自分がみていないことも
信じられる。あっというまに読めてしまうほど、先が楽しみでした。
ただ、ミクちゃんみたいに、一日だけ戻れて、もう会えないはずの
死んでしまった人に、ちゃんと最後のお別れができるのは
いいなあと思いました。昔、じいちゃんが急に死んじゃったとき、
じいちゃんの死に目に間に合わなくて、かわいがられていた弟が
気が狂いそうに泣いていたんです。最後に頭をなでてほしかっただろう
なあと、なんだか、ミクちゃんと弟が重なって見えました。
by おはなし村ゆめ (2006-04-02 16:00) 

mama-witch

 まだ人生を生きはじめていない小さな人たちに、人生で一番辛い『死」と云う
 ものを、どんなカタチで伝えていけばいいのか、いつも本当に悩みます。
 このお話で私がテーマに据えたのは、実は「未来」なんです。
 「未来への希望」、それはとても大切なことだと思います。だからおじいちゃん
 の死を、あまり強く訴えたくなかった。それより、先に生きていた人が、孫に対
 し、その愛しい思いを通して、未来の喜び・楽しみを伝え残す、という形を取り
 たかったのです。ヤリナオシ・カプセルも、オサキニ・カプセルも、そのための
 小道具。楽しく生きてきたおじいちゃんが、孫娘に「大丈夫だよ、お前もきっと
 おじいちゃんみたいに、楽しく生きられるから」と、読者よりもミクちゃんに伝わ
 るように、と意識して書きました。読者にはむしろ、人と人との暖かなコミュニ
 ケーション、というものが伝わればいいなと、願ったものです。
 子どもには「愛される」ということが、大人には「愛する」ということが、この話 
 の読後に、感じ取ってもらえたら、作者として幸せです。
by mama-witch (2006-04-02 17:53) 

笙野みかげ

あぁ、なんだろう、こんな風に、こんな風にお別れできたらどんなにいいか。
素直に前を向いて歩いていけるのに。
「愛」感じました、いっぱいに。

でも、わたしは「ヤリナオシ・カプセル」は使いません。
「ああすればよかった」「もっとカッコよく決められたのに」ってことばかりな人生だけど。
恥をかいてこそ、友情も恋も深まるんじゃないかと思うから。

ステキなお話、ありがとうございます!
by 笙野みかげ (2006-04-20 15:20) 

Silvermac

私は、ヤリナオシカプセルで祖父に会いたい、浦戸湾にこぎ出して、ニロギを釣りました。甘い祖父ではなかったが、一番懐かしい人です。良い童話です。
by Silvermac (2006-04-21 17:19) 

mama-witch

★笙野みかげさん、素敵なコメント、ありがとうございました。
 書く方として一番嬉しいのは、読後感の言葉をいただくことです。そして一番
 驚くのが、書き手が考えていた以上の受け取り方をいただいたときです。
 書く方は、どんな方がどんな風に読んでくださるのか、ほんとうに分りません
 ので、いつも精一杯、読んでくださる方の気持ちを考えるのですが、読者の方
 のほうが、ずっと想像力豊かで、広がりのある受け止め方をしてくださいま
 す。それを胸に、次の作品に取り組むパワーを搾り出すのです。ほんとうに、
 ありがとうございました。
 
★ SilverMacさんの感想は、いつも少年のようですね。ありがとうございます。
 ニロギ!私も釣ったことがあります。アンドンにアミ(?)を入れて、何本もの
 釣り針がついた糸を垂らすんでしたよね。平たい銀色のニロギが、沢山あが
 ったときの嬉しさは、今でもよく覚えています。船上で、釣れたてのニロギを 
 七輪で焼いたり、お鍋に入れて煮たりして食べた美味しさが、いまでも忘れら
 れません。一夜干しのニロギ、東京では見ることも出来ません。素敵な思い
 出に少しでも役立てたと思うと嬉しいです。『良い童話です』と云うお言葉を忘
 れず、いい作品を、がんばって書いていこうと、元気が出ました。いつも、てい
 ねいに読んでいただいて、感謝しております。ありがとうございました。 
by mama-witch (2006-04-21 19:04) 

ヤリナオシカプセルで過去を変えると
今度は未来が変わったりして・・・?

未来も知らない方が幸せでしょうね。。。
希望があるからこそ輝ける、と思う。
先を知ってしまった映画なんてつまらないのとおんなじかな?
それとも、先を知ってしまったら案外怠け者になったりして。。。??

先に生きていた人が、孫に対し、その愛しい思いを通して、
未来の喜び・楽しみを伝え残す、という形を取り
たかったのです。ヤリナオシ・カプセルも、オサキニ・カプセルも、
そのための小道具。楽しく生きてきたおじいちゃんが、孫娘に
「大丈夫だよ、お前もきっとおじいちゃんみたいに、楽しく生きられるから」
とメッセージを残す。素敵な設定だと思います。
by (2006-05-11 00:25) 

mama-witch

 作品ひとつひとつに丁寧に目を通してくださったことに、深く感謝しています。
何より、作品をただ読むだけでなく、登場人物の言葉や行動を通して、さまざまな思いを広げてくださり、人の幸せについて考えてくださったシナモンさんの誠実さに、心からお礼を言いたいです。ありがとう。
by mama-witch (2006-05-11 21:41) 

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