SSブログ

これが映画『ねずの番』 観なきゃ損! [見た話]

 

 まずはこのURLの、「寝ずの番」公式サイトを見ましょう。話はそれからです。 http://nezunoban.cocolog-nifty.com/main/ 

 

 この映画はおそらく、TV放映はないでしょう。無理です。TV局に、よほど粋なプロデューサーでもいないかぎり。R-15 指定です。

 莫大なお金をかけた大作映画ではありません。

 はらはら、ドキドキのサスペンス映画でもありません。

 SF超大作でも、アクションものでも、ロマンチック・コメディでもありません。

 アカデミー賞やカンヌ映画祭に出品されることは、絶対にありません。

 日本人の、日本人による、日本人のための映画です。でも‥‥。

 子どもには、わかりません。

 偏見のある、歪んだ精神の人は、きっと眉をひそめます。

 途中何があったって、人間たぁ、生きて死ぬだけの生き物よ。いくら金を持ってたって、あの世にゃ何も持っていけやしねぇ。なんて達観してらっしゃる方は、きっとお腹を抱えて大笑いし、浮世の憂さを忘れて、すっきりして、映画館を出てこられることでしょう。

 こんな映画が創られたこと自体、奇跡。

 日本もなかなか捨てたものではない、と、にんまりしてしまう、粋な大人の映画です。まことに上品な「下品さ」がいっぱいですから。

 死んだ落語家の師匠を、その夜、弟子たちが、一睡もせず大騒ぎして送る、一見不謹慎なお通夜の映画です。だから「ねずの番」。

  お通夜の席で弟子たちが、死んだ師匠を抱えて「死人のカンカン踊り」を躍らせるシーンは、圧巻です。見逃さないように。

     死人を抱えてラインダンス!

 死体役の長門裕之さんは、これだけで日本アカデミー賞の助演男優賞を取ることでしょう。

      いい味出してます。

 原作は2年前、階段から落ちて死んだ怪作家、中島らもさん。

 監督はマキノ雅彦さん。長門裕之さんのお兄さんです。

       今回は出てませんけど。

 芸名:津川雅彦と云う名前の、現役の役者さん。名優です。

 主演は中井喜一。その奥さん役が木村佳乃さん。

 周辺を、名脇役たちが固めています。

 是非に、とは申しませんが、見なきゃ損、だとは思います。なにしろ、法律でも変わらない限り、絶対にTV で放映されることはないでしょうから。

 既に粋な大人の方、日本の粋ってやつに触れてみたい方に、お奨めしたい怪映画ですが、最早DVDでしか観ることができなくなりました。お金と時間に余裕のある方は、どうぞ。


nice!(5)  コメント(11) 

nice! 5

コメント 11

コウダミナミ

先日何気なくこの予告ブログ?
見てしまいました。
なんと言いますか・・・・
面白いですね。
説明は出来ませんが
感覚的にああっっ面白いと感じました。

見に行きたいのですが
わが街には映画館が無いのです。
ある街には少し遠くどうも足が向きません。
ビデオなりDVDになったら
見たいです。
by コウダミナミ (2006-04-19 16:56) 

mama-witch

★コウダミナミさん、それは残念、ほんとに残念。
 実は私、実家が料亭で、こうした世界はまことに身近にありまして。次第に無
 くなっていく「粋な遊び」の世界を、ぜひ皆さんに知っていただきたいと、この
 ブログを立てたのですが。ほんとに残念です。早くDVDになることを、私も願
 っています。
by mama-witch (2006-04-19 17:06) 

TV放映実現がないのが残念です。 見たい(^^) 出演陣がすごい!!
長門さん、いいですよ~臨終と死体役(^_^;) 父がよく石原裕次郎さんなどの映画を観ていて、長門さんの若い頃よく観ました。 監督が津川さんで主演が中井さん、いいですね~弔問の面々もすごい!!
by (2006-04-19 17:22) 

mama-witch

★行動派のポンさん、こういうときです、行動を起こすのは!
 人生、泣きたくなることのほうがずっと多いんだから、笑える機会、それも爆
 笑チャンスを逃しちゃ損です。この映画、いわゆる名画じゃありませんけど、
 見たらずっと心に残る映画ですよ。
by mama-witch (2006-04-19 17:42) 

sasuke

ログアウトしてコメントしていますが、パソコン前に居ます。
アドレスを、一応プロフィールに公開しているので、そちらで。
by sasuke (2006-04-19 18:53) 

Baldhead1010

家でもTVもほとんど見ないですから、映画とかDVD観賞はとても苦手です。
長時間一つのことに没頭できないタイプなんですね^^;
by Baldhead1010 (2006-04-20 08:03) 

Silvermac

放送禁止用語がジャンジャン出てきますね。爽快です。是非、観たいと思っていましたが、高知ではやらないようですね。ザンネン。長門裕之は私より一つ下、ボチボチ死者が似合う年ですね。(@_@)
by Silvermac (2006-04-20 13:04) 

no_nickname

中島らも好きでした~
エッセイよく読んでましたけどこちらの作品は未読です。
予告編見ました!そっそりますね~☆
by no_nickname (2006-04-20 14:21) 

Abraxas XIV.

この映画って、伊丹十三さん風のやうですね。
見たいですね。
伊丹さんが亡くなって、本当にがっかりして、もうああいふ映画は見られないだらうと諦めてゐたのですが、そうでも無ささうですね。^^
長門さんのはうがお兄さんかと思ってゐました。加東大介さんの息子さんか甥か何かだったかと思ひますが、うまい俳優さんですね。大昔「山椒太夫」で初めて見ました。
by Abraxas XIV. (2006-05-01 07:03) 

mama-witch

★Baldhead1010さん、来ていただいてありがとう。
 ほかの映画はともかく、そして男性の方は特に、観たほうがいいと思います
 けど‥‥。品の良い下品さで、癒されますよー。

★SilverMac さん、NICE&コメント、ありがとうございます。
 死者が似合う年齢なんて、長門さん怒られますよー。だってあの方はなんだ
 か、現役バリバリみたいな方じゃないですか。まだまだ元気に役者さんを楽し
 んでいただきたいと思います。
 確か、生前葬は縁起がいいっていいますし(笑)

★sanisiさん、ご訪問ありがとうございます。
 そそられましたか(笑)
 だったらぜひお出かけになっては?もっともっとそそられますよ。
 だけでなく、かなり笑えます。なんたって、大人の粋ですから。

★Abraxas XIV.さん、来てくださってありがとうございます。
 「山椒太夫」、私も観ました。とても幼い頃。
 弟の足手まといにならないよう、深い池に入っていったお姉さん(香川京子)
 の脱ぎ捨てられたぞうりが、強く印象に残っています。
 モノクロなのに何故か記憶の中では赤い鼻緒のぞうりだったように覚えてい
 ます。そしてあの「安寿恋しや、ほうやれほ、厨子王恋しや、ほうやれほ」と
 歌う、花柳喜章演じる、盲いたお母さんの歌う鳥追い歌も。
 監督さんは確か溝口健二さん。モノクロながら、溝口監督独特の陰影の美し
 い映画でした。ベニス国際映画祭で、銀獅子賞も受賞しましたよね。
 でも、あの映画に長門裕之さんが出ていたとは知りませんでした。もしかした
 ら厨子王の役ですか?
 それにしてもAbraxas XIV.さんがいま、英国にお住まいなら、「ねずの番」は、
 DVDが出るまで観られませんね。とても粋な大人の映画なのに残念です。
by mama-witch (2006-05-02 07:44) 

チヨロギ

こんにちは。ご訪問とnice!をありがとうございました。
映画館で「寝ずの番」の予告編を観た時は、懐かしい気持ちになりました。
私が生まれる前の話ですが、旅館の女将をしていた賑やか好きの曾祖母のお通夜では、子どもと孫たちが輪になって踊ったり(映画とそっくり!)、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしたそうです。以来、賑やかなお葬式・法事がうちの伝統になってしまいました。
映画、もう終わっちゃったんですね。スカパーとかで放送してくれないかなー?
by チヨロギ (2006-07-01 12:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。